幸運をもたらしてくれる、おめでたい7人の神様のことだよ。
恵比寿
大黒天
毘沙門天
布袋
福禄寿
寿老人
弁財天
という名前なんだ。
(くもんなぜなぜカレンダー2020/01/02より)
もうちょっと深堀してみよう。
七福神とは
恵比寿天(えびすてん)、大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、弁財天(べんざいてん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、寿老人(じゅろうじん)、布袋尊(ほていそん)の七つの神様の総称。
七福神といえば宝船に乗った絵をすぐに連想するが、聞いて驚け、もともと日本発祥の神様は7人のうちなんとひとりだけ。
あとはインドやら中国やらから渡ってきた神様で、しかも実在の誰々をモデルにしたとか、真偽定かならぬお話も満載の、こういっちゃなんだがたいへん国際色豊かな寄せ集めの神様たち。
とはいってももちろんそこは神様なので、ありがたい効力はお持ちのようだ。
それぞれバックボーンに神道、仏教、道教、ヒンドゥー教などを持っていて呉越同舟するさまは、神様ならではの鷹揚さというか。
もともと神道だったのに、国の施策のために仏教を取り入れて神仏習合を受け容れていってしまういかにも日本らしい思想で作られたのが「七福神」だ。
→神仏習合
日本土着の神道と仏教が融合し、一つの信仰体系として再構成された宗教現象をいう。たとえば神社の中に仏像が祀ってあったり、寺に神殿があったりすること。クリスマスを祝って初詣に行ってバレンタインではしゃいでひな人形を飾り、柏餅食ってハロウィンの仮装パーティーに繰り出す我々日本人にとっては、神様の出自なんてたいした問題じゃないよね。
室町時代から知られている七福神だが、いまの7人の形になったのは江戸時代ごろと言われている。
この神さまらはお正月に宝船に乗って現れ、新年7日間、幸福と幸運をもたらしてくれるらしい。
→数字の7
初七日×7回法要=49日、7つの大罪、7つの海、7人の敵、一週間は7日、七宝、七変化、七光り、七つ道具、七人の侍やら白雪姫も七人の小人、七難七癖七不思議、七転八起七転八倒、男女七歳にして同席せず。国も宗派も越えて特別な数字と言えるかな。
→宝船
浮世絵などに描かれる七福神はしばしば宝船に乗っている。この宝船とは米俵、金銀、宝石などたくさんの宝物を詰め込んだ帆船のこと。新年の季語でもあるそうな。なぜ神様が宝物を積んで船に乗っているのかというと、古来の日本では幸福は海のかなたである異郷からやってくると信じられてきたから。島国ならではのエピソードだ。
元旦か正月二日、あるいは節分の夜に、宝船に乗った七福神の絵を枕の下に敷いて寝ると、よい初夢を見ることができるらしいよ。
恵比寿
七福神の中で唯一の日本発祥の神様。
エビスビールやプロレスラーのえべっさんなんかでおなじみ。
イザナミ、イザナギの二神の子だが、出来が悪く、船に乗せられ捨てられてしまった。昔の神様はひどいことすんね。
やがて漂着した浜の人々の手によって手厚く祀られたのが、信仰のはじまりだそうな。
左手に鯛をかかえ右手に釣竿を持った漁業の神で、海運守護・商売繁昌の神様。
大黒天
もともとヒンドゥー教のシヴァ神が大国主命と神仏習合したもの。
大地を掌握する農業の神様。
大きな袋を背負い、打出小槌をもち、頭巾をかぶって米俵の上に座る姿が一般によく知られている。
財宝、福徳開運の神様。
毘沙門天
インドから来た仏教ではかなり古参の神様。
仏教では四天王の一仏で、別名「多聞天」という。
甲冑を着け、右手に宝棒、左手に宝塔、足の下に邪鬼天の邪鬼を踏みつけている。
財宝の神だが、日本では上杉謙信の影響で闘いの神のイメージが強いかも。
神なんだか仏なんだか。
→四天王
須弥山の四方で仏法僧を守護している四神。
持国天(東)・増長天(南)・広目天(西)・多聞天(北)
→須弥山
古代インドの世界観の中で中心にそびえる聖なる山。仏教の世界観では、須弥山をとりまいて七つの金の山と鉄囲山があり、その間に八つの海がある。これを九山八海という。
弁財天
紅一点の女神さま。
こちらも元はインドのヒンドゥー教の神。
創造神の妻であり、実在したサラスヴァティー河の化身とされている。
日本にやってきて宗像三女神や吉祥天らと混ざり合い、音楽や芸能、知恵の神となった。
→宗像三女神
宗像大社を総本宮として、日本各地に祀られている三柱の女神の総称。道の最高神として航海の安全や交通安全などを祈願する神様。
沖津宮「田心姫神(タゴリヒメ)」
中津宮「湍津姫神(タギツヒメ)」
辺津宮「市杵島姫神(イチキシマヒメ)」
→吉祥天
毘沙門天の奥さんで鬼子母神の娘。ラクシュミー。
富、美、繁栄、豊穣の神。
福禄寿
幸福の福、身分を表す禄、寿命を表す寿の三文字からなり、中国、道教の長寿神。
仙人に由来するといわれる。
背が低く頭が長く、さらに長いあごひげ、大きな耳たぶを持ち、年齢は千歳。
鶴と亀を連れて、巻物を括り付けた杖を持つ。
招徳人望、長寿を授ける神。
寿老人としばしば混同される。
寿老人
背が低く白髪と白ひげをたたえ、にこやかな微笑みを絶やさず、手には巻物を括り付けた杖、団扇や桃などを持ち、鹿を従えた姿が知られている。
団扇は難を払い、桃と鹿は長寿の象徴である。
長寿延命、富貴長寿の神。
福禄寿と混同されがち。
布袋
中国で実在した禅僧布袋和尚を神格化したものといわれる。
広い度量や円満な人格、また富貴繁栄をつかさどるものと考えられ、所持品である袋は「堪忍袋」とも見なされるようになった。
肥満体で腹が出ていて、布の袋を持つ。
笑門来福、夫婦円満、子宝の神。