黄身ではなくて、黄身の表面にある、はいばんがひよこになるんだ。
黄身は生まれてくる、ひよこの栄養になるんだよ。
(くもんなぜなぜカレンダー2020/01/08より)
もうちょっと深堀してみよう。
卵の内訳
ニワトリの卵の殻を除いた重さは、平均50g~60g。
サイズ関係なく卵黄20g程度で、あとは卵白部分が30g~40gと変動する。
そのうち水分が全卵で75%、卵白で88%、卵黄で51%。
卵殻と卵殻膜:卵白:卵黄の割合=約1:6:3。
ひよこになる胚
卵黄の表面の直径2~3mmの薄い橙色の輪が「胚」。ヒヨコの素。
有精卵では「胚盤」となる。卵細胞の細胞質が集中した部分。
→有精卵
一般的に特に断りなく売られている卵は無精卵。メスだけで産んだ卵がそう呼ばれ、温めてもヒヨコにはならない。
一方、オスと交尾して産まれた卵は有精卵と呼ばれ、温めるとヒヨコになる。
→なぜメスだけで卵を産むのか
出産を連想するが、ニワトリの産卵は人間で言う排卵、つまり生理と同じこと。
年間300個程度を7~8年間産む。
ひよこに取り込まれて栄養になる卵黄
生殖細胞である卵細胞に貯蔵される栄養物質。
卵黄は卵の約30%を占め、卵殻と2枚の卵殻膜、強い抗菌作用を持つ卵白によって微生物の繁殖などから守られている。
ラテブラ、胚盤、淡色卵黄層、濃色卵黄層、卵黄膜からなり、水分が約50%、あとは脂質や蛋白質でできている。
→ラテブラ
卵黄中心部にある直径5mm程度の淡色の卵黄からなる組織。
胚とラテブラをつなぐ部分をラテブラ頸と呼び、このラテブラがどういった役割を成しているのかはかなり調べたがよくわからなかった。たぶんもうちょっと専門的な各種生物学的資料が必要な分野になるのだろう。見た感じ胚へ栄養を運ぶ直接的な役割がありそうな感じはするが。いずれきちんと調べたら更新する。ご存じの方はご教授ください。
ちなみにゆで卵にしても完全に固まりきらないという性質がある。
水分補給と中身を保護する卵白
卵白は、カラザ、外水様卵白、濃厚卵白、内水様卵白の四層からなり、約88%が水分で、残りは蛋白質。
胚の発生に必要な水分を保持しつつ供給し、胚と卵黄を物理的、化学的に保護する役割を持つ。カビ等が繁殖し腐敗しないような働きもある。
濃厚卵白
黄身のまわりにあるこんもりと盛り上がった白身部分。
水様卵白
水っぽく盛り上がりのない白身。
カラザ
ねじれた白いひも状の部分。卵が回転してもその中で常に胚が上に来るように、卵黄を常にたまごの中央に固定する重要な役目をしている。
もともと英語でchalaza、直訳すると卵帯。
→卵帯
あまりなじみのない言葉だが、卵を固定する部位という意味の固有名詞、という認識でOKのようだ。同じ意味ではカラザのほうがはるかにポピュラー。鶏卵のほかには鳥の卵や魚の卵の話で散見できる。
たまごのカラ、卵殻
いわゆる殻の部分。硬い殻で、卵の内部を保護する役割。約94%が炭酸カルシウムで出来ている。
気孔と呼ばれる小さな呼吸穴がたくさん開いている。
気孔で必要な酸素を取り入れ、内部の炭酸ガスや水分を排泄するガス交換を行っている。
ちなみにそのままではとうていうまいものではないが、食べられる。
しかも上述の通りカルシウム満載なので健康にいいらしい。サプリメントや美容商品などに用いられている。